AOYAMA LAW ニュース
 


法学部のオープンキャンパスで
受験生参加型の模擬裁判が行われました
 

 

 

オープンキャンパスは、受験生の皆さんが「主役」ですが、話を聞いて終わりという一方通行的のものになりがちです。そこで青山学院大学法学部では、今年度、皆さんが参加できる双方向性のある企画として、受験生のみなさんが参加できるような模擬裁判を行うこととしました。この模擬裁判の準備・運営は、法学研究部のみなさんが行ったわけですが、各方面から非常に好評でした。そこで今回、当日の様子について、同部部長の麻生君に紹介文を執筆して頂きました。
 


「受験生とともに模擬裁判を作る」 法学研究部 部長 麻生寛人

 2009
年度から始まる裁判員制度は、20歳以上の国民がランダムに選ばれ、重大刑事事件において被告人の有罪か無罪、また、有罪の場合は量刑までを決める司法改革のひとつです。受験生の皆さんにはこの裁判員役を行って頂き、判決文も複数用意することによって、結末はまさに参加者次第という形で望みました。 

 まず、意見がなるべく割れるような事件を部員全員で創意しました。次に、裁判官役、検察官役、弁護人役、被告人役、証人役と分かれては、裁判官役の部員は判決文作成から裁判進行を、検察官役の部員は起訴状作成から論告求刑まで、弁護人役の部員はいかに無罪を主張するか、被告人役や証人役の部員はもし突然裁判所に出頭することになったらどう対応するか。それぞれ、試行錯誤創意工夫をしては、いかに現実の裁判を忠実に再現できるか、そして、いかに高校生に分りやすく伝えられるか、練っていきました。
 2
日間のオープンキャンパスでは、500人以上の受験生の方が模擬裁判に参加してくれました。そして、同じ内容にも関わらず、執行猶予付き有罪が3回、無罪が1回という結果になり、部員一同、裁判員制度に関して改めて考えさせられました。法律は一部の為にあるのではなく、裁判は一部が判断すればいいものでもありません。まさに国民全体が理解でき、支持できるようなものにしなくてはいけないことを実感しました。

 

【関英昭先生(法学部教授)からのコメント】
  法学研究部の学生諸君は、自ら考え、自ら検討し、自ら実践することを学んでいます。その最も良い例が模擬裁判でしょう。模擬裁判は法学研究部の伝統的研究活動の一つですが、一人ではなく、全員で取り組むところにその良さがあります。大勢の中で、自分の役割は何か、それを知ることは大切です。新しい感覚で、新しいことに積極的にチャレンジしてくれている現役諸君に、顧問でもあり、OBでもある先輩として、大いに期待しています。

 

【法学部研究部の紹介】
 青山学院大学法学研究部は、大学法学部設置と同時に誕生し、本学から初めての司法試験合格者や大使を始め、多数のOB・OGを輩出してきた伝統ある部です。部OBで顧問の関英昭教授に暖かく見守られつつ、指導をうけております。部員は、法曹、隣接法曹、国家公務員等、様々な目標を持つ者が集まっており、切磋琢磨しながら、法学の理解を深め、仲間作りをしています。主な部活動は、法律討論会、模擬裁判、そして、座談会主催の三点です。
 法律討論会では、具体的なテーマについて討論を行います。自分の主張を相手にどう伝えるか、いかに説得力をもたせるか、プレゼンテーション方法を学びつつ、個人での学習では得られない多種多様な価値観や見解と接することにより、視野を広げる機会と成ります。
 模擬裁判は、部員がそれぞれ裁判官、検察官、弁護士、被告、証人に分かれて行うことによって、裁判の流れを自ら体感していきます。裁判官役は自ら判決文を作成しては裁判の進行役を務め、検察官は起訴状作成から論告求刑、弁護士はいかに被告人の利益を守るか、証人は突然裁判に出頭することになったらどう対応するか、まさに台本や脚本なく、それぞれ創意工夫していきます。そして、本学法科大学院の模擬法廷にて、オープンキャンパス並びに大学祭で披露します。
 座談会は、OB・OGの方々に、これまでの経験をもとにして貴重な話をして頂くものです。法曹・研究者・実務家等、多様な方からの話は、自分の進路を考える上非常に結うようです。近年は政財界の方々と接する社会勉強も行っています。